オンド・マルトノとは20世紀初めフランスの発明家モリス・マルトノによって発明された電子楽器である。
単旋律楽器であり、3種類のスピーカーから成り立つ。”プリンシパル スピーカー”(メイン スピーカー)、”リバーブ スピーカー”(炎の様な形をした「パルム」と呼ばれるこのスピーカーには調弦された弦が張られており、この弦が共鳴し震える事により音がでる)、”メタリック”(スピーカーの振動板が”銅鑼”となっており、銅鑼を振動させることにより金属的な光輝く音を作り出す)
楽器の左側には音色やスピーカーの切り替えをコントロールするスイッチが収められた箱がついている。この箱の中には弦楽器に例えるなら弓の役割を果たす”トゥッシュ”と呼ばれるものがある。つまり、奏者がこの”トゥッシュ”を押さない限り音は出ない。音の強弱やアタックは全てこのトゥッシュにより作り出す。
揺れる鍵盤により、各音ごとにビブラートをかけたり、微分音を出すことも可能。
また、鍵盤の手前に指輪がついた糸(リボン)が貼られており、右手人差し指にこの指輪をはめ演奏する。フレットが付いていない弦楽器や声の様な感じでグリッサンドやエフェクト効果、歌曲の様に歌い上げることが出来る。
オンド・マルトノは電子楽器であるが”生楽器”の様であり、非常に優れた稀有な楽器である。
現在、久保智美が使用している楽器は”オンデア(Ondéa)”と呼ばれる、オリジナルのオンド・マルトノをベースに1997年より研究、開発された楽器である。